転倒転落のアセスメント・看護計画

  • 2022年5月1日
  • 2022年5月1日
  • 勉強
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はじめに

転倒転落ってどの病棟でも怖いですよね。どの患者さんでも起こりうる問題ですし…

患者の状態の変化はないか、どこをうちつけたか、頭うってないか、バイタルに変化ないか、受傷した部位がどんな風か、Drに報告もしないと…みたいな笑

自分が関わる上でそうしたリスクはできる限り減らしていきたいので、改めて転倒転落について考えていきましょう!

転倒転落のリスク因子

 
ゆうひ
今回は疾患については深く考えず、外的要因や加齢による変化、薬に焦点をあてて転倒転落について考えていきます!

外的要因

  • 1~2cm程度の段差
  • 滑りやすい床
  • 履物(スリッパやサンダルなど)
  • つまづきやすい敷物(カーペットの端など)
  • 電気器具などのコード類
  • 照明が暗い
  • 不慣れな環境
  • 不慣れな場所での障害物

加齢

  • 最大筋力、筋の持続力の低下
  • 運動速度の低下
  • 反応時間の延長
  • 巧緻性の低下
  • 姿勢反射の低下
  • 深部感覚の低下
  • 平衡機能の低下

  • 睡眠薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、その他向精神薬
  • 降圧利尿薬、その他降圧薬
  • 血管拡張薬
  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤
  • 強心薬などの心疾患治療薬
  • 抗けいれん薬
  • 抗パーキンソン薬
  • 鉄剤

転倒転落のアセスメント

外的要因

外的要因に対しては患者周囲、病棟の環境整備につきますね。患者の移動範囲や移動手段(杖、歩行器、車いすなど)も考慮して環境調整を図っていく必要があります。

また、オーバーテーブルなど身近に患者が触れる場所も整えてあげないと、患者が携帯とか落としっちゃってそれを取ろうとして転倒とかもあり得ます。

 
ゆうひ
学生の頃から口うるさく言われる環境整備、なめてかかるわけにはいきませんね…

加齢

加齢からくる身体機能の変化のうち、どの要因からより転倒リスクが高まっているか考えていく必要があります。

筋力低下についてみていくには、入院前、入院後でのADL比較、安静度やベットにいる時間、活動量はどの程度か観察していきます。運動速度や反応時間の延長は年齢を重ねると致し方ない部分ですね。

巧緻性の低下がでてくると、つかもうとした取っ手をつかめなかったりして、そのまま重心が傾いていったら転倒につながりますね。

加齢によってバランス能力の低下がみられるため、より転倒しやすくなります。

バランス能力を構成する因子

  • 平衡機能
  • 運動能力(筋力、骨のアライメント(並び)、姿勢、関節の柔軟性)
  • 感覚機能(表在感覚、深部感覚、特殊感覚)
  • 認知機能
  • 環境(床のすべりやすさ、履物、明暗、障害物)

加齢によってこのようにたくさんの要因から転倒リスクが高くなることがわかりました。

加齢だから、転倒リスク高いよね。で思考停止せずに加齢によってこのような身体機能の変化があるため転倒転落リスクが高くなる。だから環境整備だったりこんな対策が必要なのでは?そこまで日常の業務で考えれるようになれば少なくとも自分の目の前で(実際目の前で見ていなくとも受け持ちの患者が)転倒転落が少なくなっていくのではないでしょうか。

次に薬の影響について話していきたいと思います。内服や投与されている薬によって以下のようなリスクが出てきます。

リスク
脱力、筋緊張低下筋弛緩剤、抗不安薬
ふらつき、めまい抗不安薬、睡眠薬、NSAIDs、抗てんかん薬、麻薬、非麻薬性鎮痛剤、抗がん剤
失神、起立性低血圧降圧剤、利尿剤、抗うつ薬、向精神薬
せん妄状態抗パーキンソン薬、ジギタリス製剤、麻薬、H2拮抗剤、β遮断薬、抗がん剤
視力障害抗コリン薬、抗てんかん薬、
眠気、集中力、注意力の低下睡眠薬、抗不安薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、血糖降下剤、麻薬、非麻薬性鎮痛剤
パーキンソン様症状向精神薬、抗うつ薬、制吐剤、胃腸機能調整薬

転倒・転落の看護計画

看護目標

転倒転落しない

OP

①バイタルサイン(発熱していないか、血圧はどうか)

②歩行状態(下肢筋力の低下があるか、跛行がないか、自立歩行できるか、歩行器や杖などの自助具を使用しているか)

③認知機能(認知症の有無、せん妄症状がないか、指示された安静度を守れるか)

④使用中の薬剤(上記の薬剤を使用中ではないか)

⑤睡眠状況(睡眠時間、睡眠の満足度、睡眠障害がないか)

⑥周囲の環境(ベットの高さ、ベット柵、ストッパーはかかっているか、ベット周囲が散らかっていないか、床が濡れて滑りやすくなっていないか、履物はサイズがあっているか、かかとを踏んでいないか、スリッパではないか、周囲が確認しやすい明るさであるか)

⑦聴力、視力(周囲の危険を知覚するのが困難でないか)

⑧点滴やドレーン等があるか

⑨麻痺の有無、骨、関節の異常がないか

⑩検査データ(貧血の有無、RBC、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC)

⑪栄養状態(低栄養になると筋肉量が低下するため)

TP

①ベット周囲の環境整備

②ベットの高さの調整

③ベットのストッパーがかかっているか

④ナースコールを手の届くところに置く

⑤適切な履物の選択、適切に履けているかの確認、必要に応じ介助する

⑥自助具の定期的な点検

⑦コードやチューブ類の整理

⑧ADLに合わせ移動時介助を行う

⑨身体機能訓練(筋力の維持・増進

⑩患者にあった眼鏡、補聴器を使用する

EP

①患者にあった履き慣れた靴の選択の必要性の説明、滑りやすい履物の使用を控えてもらう

②必要時ナースコールを押してもらうよう説明する

③移動時床頭台など動くものに体重をかけて移動しないよう説明する

④裾が地面につくような体に合わない寝衣は控えてもらうよう説明する

⑤バランスの取れた栄養摂取の必要性の説明

終わりに

認知症の患者さんやせん妄の患者さんは急に動き出したりして、少し目を離した隙に転倒転落しています。

患者さんの安全のためにも、事故を起こさないためにも、予防できることはしっかりおこないたいですよね。

今回は転倒転落アセスメントを行っていくうえで、どの科にいても知っておくと便利な視点を意識してまとめてみました。

薬に関しては疾患に由来して投与されているものですが、おおまかなリスクを先に頭に入れている方が疾患ごとにアセスメントしていくうえでもスムーズに考えていけると思います。

転倒転落を予防し患者の安全をより守っていけるようにしましょう!