今まで病棟での勤務を行っていましたが、上から異動の話がでて内視鏡室への異動となりました。
内視鏡室へ異動を希望したわけではありませんが笑
病棟から内視鏡の外来への異動となり、色々と環境が変わり、戸惑いが多いです。



目次
内視鏡看護師の1日の業務内容
8:00 出勤 午前中は胃カメラを行っているため、胃カメラの件数分の検査準備をします。私が勤めている病院では、希望の方にセデーション(鎮静)をかけてやっています。ラインをすぐ取れるよう物品を準備します。診察室の中も検査できるよう準備をします。
8:40 朝礼 申し送り事項や本日の検査についての情報共有を行います。
9:00~12:00 GF検査開始。
12:00頃 検査後の片付け、環境整備。午後のCFの準備。EMR、ESD、ERCPなどの検査があればその準備も。
12:30~13:30 昼休憩
13:30 午後の検査準備。
14:00 午後の検査開始。
16:00頃 検査後の片付け、記録。
17:00 退勤
時間の多少のズレはありますが、概ねこのような一日の流れで動いています。
内視鏡看護師が行っている問診・検査中の介助
胃カメラ問診時の注意点
胃カメラであればうちは
- プロナーゼ
- ガスコン
- キシロカインビスカス
- キシロカインスプレー
- サイレース
- フルマゼニル
を必要に応じ使用したりしなかったりしています。
鎮静剤は患者さんの希望により、やるかやらないか決めてもらっています。
胃カメラでうちは鎮痙剤は使用していないみたいなので。
薬剤ごとの注意点
- プロナーゼ→消化管出血の可能性がある患者には使用しない。
- キシロカインビスカス→歯医者等の麻酔で気分を悪くしたことがないかの確認。
- キシロカインスプレー→麻酔での気分不良歴がないかとアルコールにアレルギーがないか(キシロカインスプレーの中にアルコール成分が含まれるため)
- サイレース→狭隅角緑内障がないか
- フルマゼニル→ベンゾジアゼピン系の内服をしていないか
あとは問診の際にアルコールが大丈夫か、禁忌肢位がないか、採血等で気分不良を起こしたことがないかも確認が必要ですね。
胃カメラ検査中の看護・介助
検査中はバイタルの変動、患者の動きに注意し介助を行います。
鎮静剤ありではサイレースを使用しているので、舌根沈下、呼吸抑制、誤嚥に注意し介助します。
SPO2が下がりやすくなっているので、下がった際は声掛けやタッチングで刺激し、しっかり呼吸するよう促します。
肩を広げて胸郭を広げてあげることでもSPO2が上がりやすくなります。それでもSPO2が低下するようであればDrに確認し酸素投与を検討します。
鎮静中に顔がしっかり横を向かず、上をむいていたら唾液が喉にたまり誤嚥リスクも高まるため、検査前に体位はしっかり整えるよう心がけています。
鎮静中は患者がいきなり動いてしまうこともあるため、患者の動きが見えるよう患者から目を離す時間は最低限にするよう心がけています。
胃カメラ検査後の看護
鎮静剤を使用していない患者は検査後の説明をして終了ですが、鎮静剤を使用した方は検査後の観察も大切です。
サイレースを使用しているので、検査後フルマゼニル(拮抗薬)をいれて目を覚まします。
フルマゼニルの効果が出てくる時間がおおよそ1分程度と言われています。
そのため投与直後はすぐ起こそうとせずに、検査中の記録などをして投与して1分くらいたってから起こすようにしています。
検査後はふらつき、脱力、気分不良等ないか観察を継続します。
サイレースの実質的な半減期はおよそ7時間程度でフルマゼニルの半減期はおよそ50分ほどです。
つまり1時間を過ぎれば、またふらつき等の鎮静による作用が強まる可能性があります。 ゆうひ患者さんをより安全に帰すためにも検査後の観察も重要ですね。
大腸カメラ問診時に気をつけること
大腸カメラでは鎮痙剤のブスコパン、グルカゴンを使用しますが、禁忌や慎重投与が多いため問診時にしっかり情報を取る必要があります。高齢者への問診は一つ一つしっかり再確認していきます。
ブスコパン、グルカゴンなどの内視鏡で使用する薬剤の禁忌や適応はこちらに詳しくまとめています。
内視鏡検査で使用する薬剤 – ゆうひのブログ (edamamesuke.com)
大腸カメラ検査後の看護
胃カメラ後と概ね一緒ですが、患者の羞恥心に配慮して検査後の観察を継続します。検査後ある程度観察を続けて、気分不良などがなければ着替えてもらいます。
病棟と内視鏡外来の違いは?仕事は大変か
病棟から内視鏡へと異動となり感じたこと
- 業務量が減った
- 多重業務が減った
- 一人ひとりの患者との関わりの密度が減った
- 残業が減った
- 医師とより近い距離で業務を行うようになった
- 一人で完結する業務が増えた
- ストレスが減った
- 給料が減った
- オンコールの日はどこか落ち着かない
こんなところです。
病棟の看護師っていろんな職種との架け橋にならないといけなくて、その中には必ず関わりたくない人も存在するわけで…
母数が増えれば人間関係に悩むことっておのずと増えますよね。
うちの内視鏡外来ではナースコールも基本ないし、目の前の患者に病棟に比べ集中しやすい印象ですね。
あとは検査の介助につくとなるとやっぱり病棟に比べて医師とのコミュニケーションも増えるし一緒に協力して仕事をしてるって感じが強まりますね!笑
夜勤をやっていない分給料は減りますね。その代わりオンコールにはついています。
オンコールの日はいつ電話がかかってくるかわかったもんじゃないので、どこか落ち着きませんね笑
病棟の馬鹿みたいに忙しかった頃に比べると、業務量も減り、精神的ストレスも減り、QOLが上がりました笑
内視鏡看護師になる人に1番最初におすすめの本
内視鏡に配属となって1から勉強するならこの本がおすすめです。
ほんとに初歩の初歩から教えてくれます。
他にも何冊か配属される前から専門書を購入していましたが、1番見返して、役に立ったのはこの本でした。
もちろん知識を深めていくとなると他に買った本達もたくさん役に立ってくれましたが、最初の1冊はこれだなって感じました。
内視鏡に異動して感じたこと
精神的・身体的ストレスが減りQOLが上がった
病棟にいた頃に比べて業務量や人間関係でのストレスが減り、残業も減ったので、他のことを楽しむことができるようになりました。
病棟では定時過ぎまで自分の記録にを手を付けられないとかざらでしたし、残業時間も馬鹿みたいに多かったです笑
内視鏡では緊急以外は基本的に予約の枠でできる分なので、残業したとしても終わりも見えるし病棟ほど残業になることもないので笑
自分の体を壊してまで看護師をするより100倍ましですね笑
病棟の経験年数が少ないままという漠然とした不安
看護師をやってて思うのが、内視鏡や手術室などの病棟とはだいぶ手技や知識が違う環境に勤めるのって漠然と不安があると思うんですよね。
自分が実際にそうでした。希望して異動したわけではないし、看護師資格をとって1年弱で異動したので不安しかありませんでした。
その不安自体は拭いきれませんが、専門性の高い分野を極めていけるということは一つの強みだと考えました。
内視鏡で勤務を続ければ、消化器内視鏡技師という資格を取得することもできます!
簡単に言えば内視鏡のエキスパートですね!特出した知識や技能は強みになります。
消化器内視鏡技師の資格を取ることで、内視鏡看護師としては転職でも活かすことができます。
病棟より内視鏡が自分にはよかった!
内視鏡に異動となって結果的によかったと感じています。
病棟とは業務だったりドクターとの距離だったりいろいろ違うところがあります。
患者さんとの関わりをたくさんしたい!って人には合わないかもしれません。
一人ひとりと接する時間はどうしても短いので。
そうではなければ選択肢としては全然ありだと思います!
自分は患者さんとの関わりよりどちらかというと解剖や疾患などに対する興味が強いので、自分のような人はむいているかもしれませんね。