深部静脈血栓症の危険因子と症状・ホーマンズ徴候はなぜ足が痛くなるの?

  • 2022年5月1日
  • 2022年5月1日
  • 看護
  • 107view
  • 0件

深部静脈血栓症とは

深部静脈血栓症(DVT:deep venous thrombosis)とは深部静脈の血液が固まり血栓ができて、静脈を血栓が塞いでしまうことです。

病態

血流停滞

長期臥床・肥満・妊娠・心肺疾患(うっ血性心不全、慢性肺性心など) ・全身麻酔・下肢麻痺・下肢ギプス包帯固定・下肢静脈瘤・旅行や災害時での長時間座位など

血管内皮障害

手術・外傷・骨折・血管炎・膠原病・喫煙・静脈血栓塞栓症の既往など

血液凝固能亢進

悪性腫瘍・妊娠・産後・手術・外傷・骨折・熱傷・薬物(経口避妊薬,エストロゲン製剤など)・感染症・ネフローゼ症候群・炎症性腸疾患・脱水など

先天性血液凝固能異常と上記のような後天的なリスク因子があります。

症状

  • 急速に発症した疼痛、腫脹、色調変化
  • 浮腫→血栓による循環不全から
  • 呼吸困難、胸痛
  • ローエンベルク(Lowenberg)徴候→下腿にマンシェットを巻いて加圧すると、100~150mmHgの圧迫で疼痛が生じる。
  • 表在静脈の怒張
  • 足背・膝窩動脈の触知不可
  • ホーマンズ徴候

予防

  • 弾性ストッキング・弾性包帯の使用→圧迫することによって表在静脈の血液を深部静脈に集める。静脈を狭くし深部静脈の血流を速めて、血栓をできにくくする
  • 間欠的空気圧迫法(フットポンプ)
  • 底背屈運動や膝関節の屈曲伸展の促しや他動的に介助を行う
  • 早期離床

次に深部静脈血栓症がおきていないか簡単にできる評価方法の一つのホーマンズ徴候について少し深堀りして学んで行きたいと思います。

ホーマンズ徴候とは・検査のやり方

深部静脈血栓症によって静脈炎が起きていないかを検査する方法です。

足を伸ばし、膝関節を伸展させた状態で底背屈運動を行い、ふくらはぎに痛みを感じるかどうかを検査します。

なぜ痛みを感じるのか

血栓ができることにより、血栓より末梢側の血管は膨張し、静脈圧の上昇が起きます。その結果、内膜損傷を起こし静脈炎を引き起こします。

足を伸ばした状態で底背屈運動を行うことで下腿三頭筋が伸展され、静脈炎を起こしている静脈が圧迫されます。その結果、静脈圧がより上昇し静脈炎を起こしている部位に痛みを感じます。

そのため、ホーマンズ徴候の観察を行い陽性の場合、ふくらはぎに痛みが生じます。

足以外にも血栓はおきたりするの?

足以外にも血栓はできます!

しかし、割合としてはとても少ないです。

血栓の9割以上が足の静脈内にできると言われています。

深部静脈血栓症が起きやすい場所は心臓から遠く、血流が悪くなりやすい場所となります。下肢は重力の影響もあり、他の部位に比べ血流が悪くなりやすいです。

歩くことによって下肢の筋肉を動かし、静脈血が心臓に戻るのを助けています(ポンプ作用)。

しかし、ベット上での安静や麻痺などによって筋肉を使わないとポンプ作用が起きないため、静脈還流の手助けをできません。その結果血流がうっ滞しやすくなり、血栓ができ、深部静脈血栓症となってしまいます。

DVTで上昇するD-ダイマーや、その他凝固・線溶系のデータについてまとめている記事はこちらから

凝固・線溶系検査データについて

深部静脈血栓症を起こさないよう看護していきましょう!

  • DVTリスクの高い患者には適切にフットポンプや弾性ストッキング、弾性包帯を使用しDVTを予防していきましょう!
  • シャワー浴後に弾性ストッキングの履き忘れがないか、フットポンプはちゃんと電源が入っているか。
  • DVTとは少しずれますが、股関節のオペ後で脱臼肢位をとって患者が弾性ストッキングを履こうとしていないかも注意して観察しましょう。
  • 他病棟に転棟する際に申し送り忘れがないかなどに注意して介入していき、対応はされていたけど看護師のミスによってDVTが起きないよう介入していきましょう。

患者さんにより良い看護を提供していきましょう!