嘔吐についてのアセスメント

  • 2021年8月22日
  • 2022年4月19日
  • 看護
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そもそも嘔吐はなぜ起こるの?

何らかの原因により嘔吐中枢が刺激され、迷走神経、交感神経、体性運動神経を介して起こる。

幽門が閉ざされて、食道括約筋がゆるみ、胃に逆流運動が起こる。

それに伴って横隔膜や腹筋が収縮して胃を圧迫し、胃の内容物が排出されます。

唾液分泌亢進、冷感、顔面蒼白、めまい、徐脈、頻脈、血圧低下などの自律神経症状を伴うことがあります。

嘔吐中枢が刺激される原因にはなにがある?

中枢性嘔吐:髄膜刺激症状の一つとしてみられるもの
  脳炎、髄膜炎、脳腫瘍、脳浮腫、薬物中毒、尿毒症、アシドーシスなど


反射性(末梢性)嘔吐:求心性の自律神経系を介して間接的に嘔吐中枢が刺激をうけるもの
  胃腸など消化器系の機械的通過障害、炎症、毒物摂取など


心理的嘔吐:嗅覚・味覚、激しい情緒の変化などによるもの
  神経性嘔吐、ヒステリーなど

もうちょっと詳しく

大脳皮質からの入力

精神的、感情的な要因によっても嘔吐は起こります。どのような経路で嘔吐中枢に至るかはわからないそうです。頭蓋内圧亢進や腫瘍、血管病変などが直接または間接的に嘔吐中枢を刺激します。

脳圧が高くなくても脳室の拡大、伸展があると機械的受容体が刺激され、嘔吐中枢への入力となります。

化学受容器引金帯からの入力

最後野は第4脳室底にあり、血管が豊富で血管脳関門がないので、血管や脳脊髄液中の代謝物、ホルモン、薬物、細菌の毒素など様々な催吐性刺激を受けるため化学受容器引金帯と呼ばれる。

神経伝達物質では、ドパミン、セロトニン、サブスタンスPなどが、薬物ではモルヒネ、ジギタリスなどが刺激となることがあります。

前庭器からの入力

体の回転運動や前庭の病変により、前庭が刺激されると直接または最後野を介して嘔吐中枢が刺激されます。

末梢からの入力

咽頭、心臓、肝臓、消化管、腹膜、腹部、骨盤臓器の機械的受容体あるいは肝、消化管の化学受容体が刺激されると迷走神経、交感神経、舌咽神経を介し嘔吐中枢が刺激されます。

消化管の伸展は嘔吐刺激となりえます。ドパミン刺激により消化管の運動は低下し、内容物が停滞することで、消化管の伸展を引き起こし、機械的受容体が刺激され嘔吐刺激が伝えられます。消化管運動が改善されると消化管の伸展が緩和され、嘔吐刺激は改善されます。消化管閉塞があると、消化管運動により消化管は過伸展を引き起こし嘔吐刺激が起きます。また、消化管の分泌増加が加わると消化管が更に伸展し嘔吐刺激は悪化すると考えられます。

嘔吐時の観察

誤嚥・窒息がないか

・呼吸状態(異常呼吸、肺雑音の有無)

・バイタルサイン

・嘔吐時の状態(体位、嘔吐物の量、性状、回数、時間)

・合併症の兆候、症状

電解質異常・脱水の有無

・嘔吐物の状態(量、性状、回数、誘因)

・脱水症状の有無

・水分摂取量、尿量

・臨床検査値

苦痛・ストレスに対し

・表情、言動

・ストレスの有無

・苦痛の訴え

嘔吐時の看護

体位の工夫

腹圧のかからない体位を保持できるようにしましょう。誤嚥防止のため仰臥位の場合は顔を横に向けたり、側臥位にするようしましょう。

安静の保持

できるだけ静かな環境で安静を保持できるよう環境を整えましょう。

口腔内の清潔保持

含嗽や口腔ケアを行い口腔内を清潔に保ちます。

食事の援助

嘔気、嘔吐の有無を確認しながら、必要時は食事の援助を行います。食事で十分な水分や栄養を摂取できない場合は、輸液での管理や薬物療法が必要となる場合があります。

不安の除去

嘔吐した際は、すみやかに嘔吐物を片付けるなど、患者の不安が増強しないよう配慮します。患者の訴えに寄り添い不安の軽減に努めましょう。

嘔吐についてのアセスメント

時期からアセスメント

外来では特に感染症ではないか、時期と今現在流行っている感染症がないか、時期により感染症を疑います。

吐物のアセスメント

単なる食物残渣物の場合は、そこからアセスメント広げます。

嘔吐物の中に血液が混入している場合や、胆汁(緑色の吐物)が混入している場合によりアセスメントが変わります。

胆汁様嘔吐

アルコール依存症、虫垂炎、大腸がん、胆嚢炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎、腹部ヘルニア、クローン病、ヒルシュスプルング病、腸閉塞、膵臓がん、十二指腸潰瘍、消化性潰瘍

吐血

食道静脈瘤、マロリー・ワイス症候群、急性胃粘膜病変、胃・十二指腸潰瘍、胃がん

緊急性を要するのは、血液が混入している場合です。どこかで出血している危険性があります。

既往歴からアセスメント

胃や十二指腸、大腸の疾患、高血圧がないか。
手術後のイレウスなども疑っていきます。

患者の環境、精神面からアセスメント

精神的な負担により嘔吐をおこすこともあるため、患者の環境や置かれている状況、ストレスからくるものではないかも考えていきます。

疾患からのアセスメント

化学療法を行っている患者では薬の副作用として、嘔気、嘔吐はよく出現します。

脳疾患の進行により起きることもあります。嘔吐の他に頭痛、しびれ、顔面の麻痺等あれば緊急性を要するため直ちにDrに報告します。

胃炎、胃潰瘍、胆嚢炎、イレウスなどの消化器の疾患からくるものかもアセスメントしていきます。

検査からアセスメント

採血の結果より感染による嘔吐であるのか知ることができます。炎症の検査データ(WBC、CRP)もよく見ていきましょう。

多量の嘔吐や頻回な嘔吐がある場合は、脱水症状や低クロール血症を起こしてしまうこともあるため、電解質の検査データ(Na、Cl、Kが低値を示す可能性あり)も確認します。

胃潰瘍があり出血している場合は貧血傾向となります。嘔吐している今現在のアセスメントではありませんが、その後貧血が続いていないか検査データを経過観察していきます。

最後に

汎用性が高い知識から勉強するといろんな場面でやくに立つのでいいですね。嘔気、嘔吐は割と身近に起きるものですし、少し深堀りして知識を身につけておきたいですね!